腫瘍認定医 1 種一次試験 概要

・問 題 数:診断学・治療学各 3 症例(合計 6 症例)各 100 点満点(合計 600 点)
・試験時間:60 分×2(受験番号と名前は試験開始前に書かせてくれる)
・合格基準:すべての問題が平均点以上かつ地雷問題を踏まない
・試験形式:筆記試験、問題兼解答用紙3枚と写真が配られる
・採点基準:キーワード加点方式(間違ったことを書いても減点なし)、MSTなどはざっくりで良い

 

2023年 腫瘍科認定医1種1次試験 過去問

診断学分野

①犬、下顎、浅頸、膝窩リンパ節腫大(多中心型リンパ腫)

・「小~中細胞性リンパ球が多いリンパ節細胞診画像」細胞診所見と鑑別を書け
・「大細胞性リンパ球が多いリンパ節細胞診画像」細胞診所見、診断名、必要な追加検査を書け
・臨床ステージ分類のために必要な追加検査を書け
・高グレードリンパ腫の最も推奨される治療法とその予後について書け
・シクロホスファミド特有の副作用とその予防法を書け

②犬、肛門から飛び出した直腸腫瘤(大腸形質細胞腫)

・必要な問診事項を書け
・細胞診所見を書け、鑑別を書け、診断名を書け
・症例はスクリーニング検査異常なし、リンパ節転移なし、遠隔転移なし、腫瘍は限局していた。推奨される治療を書け
・切除の結果マージンクリアであった。今後のプランを書け
・この腫瘍が胃や小腸に出来た場合の推奨される治療と予後を書け

③犬、前縦隔腫瘤(胸腺腫)

・鑑別疾患を書け
・X線所見を書け
・必要な追加検査を書け
・細胞診所見を書け、診断名を書け
・外科的アプローチ方法を2つ書け
・「胸腔内の解剖図、内胸動脈、横隔神経」で示した構造名を書け

治療学分野

①犬、中心部壊死した脾臓腫瘤(血管肉腫)、元気食欲低下(貧血なし、好中球増加、TAT0.5のDIC)、腹腔内出血なし

・状態を改善するために必要な治療を書け
・開腹したところ脾門部での処理が出来なかったため、主要な血管を結紮分離した。血管名を書け
・病理結果は血管肉腫であった。今後の治療プランとそれぞれの予後を書け
・「心エコーFS%19の画像」この症例で抗がん剤を使うときに気を付けなくてはいけないことと、その対処法を書け

②犬、下顎第1後臼歯部腫瘤

・この症例で腫瘍以外に細胞診を行うべき場所とその理由を書け
・「メラノーマの細胞診画像」細胞診所見と診断名を書け
・「扁平上皮癌の細胞診画像」細胞診所見と診断名を書け
・片側下顎切除を行った。切断する血管、筋肉、唾液腺の導管を書け
・口腔内メラノーマの予後因子を書け
・下記の部位(扁桃、肢端、鼻鏡)に発生した扁平上皮癌のそれぞれの生物学的挙動を書け

③犬、陰嚢~左大腿にあるφ3cmの皮膚腫瘤(肥満細胞腫)、左膝窩リンパ節腫大、嘔吐、好酸球増加、軽度肝酵素上昇

・「腫瘤:無顆粒性が混在する肥満細胞腫、リンパ節:細胞質が広く核が偏在した独立円形細胞と好酸球」細胞診所見を書け、マスタープロブレムリストを書け
・必要な追加検査を書け
・腹部エコーで特に重点的に観察する内容を書け
・飼い主へのインフォーム内容を書け
・手術計画を書け
・病理はマージンクリア、グレード2、c-kit変異ありであった。臨床ステージ分類と今後のプランを書け

 

2022年 腫瘍科認定医1種1次試験 過去問

診断学分野

①心タンポナーデ

・ショックの分類を書け
・心嚢水貯留の鑑別を書け
・「右心房腫瘤の画像」最も考えられる診断名と、その治療法、予後について書け
・「大動脈基部腫瘤の画像」考えられる鑑別疾患と治療法について書け

②左下顎リンパ節腫大(約4×4×5cm)、腹部の紫斑症例について

・血液検査の異常所見(貧血、Ret15.5万、血小板減少、高コレステロール)について説明し、必要な追加検査を答えろ
・「濾胞性リンパ腫のリンパ節の免染画像2枚、濾胞が茶色のと、濾胞以外が茶色の」それぞれの染色名を書け
・「骨髄の写真」骨髄所見について説明せよ。また、血液検査の異常所見の鑑別を絞れ
・WHOの組織学的分類における濾胞性リンパ腫のそれ以上の分類についても説明せよ
・治療法と予後についてインフォーム内容を書け

③精巣腫瘍

・精巣の解剖を図示せよ
・精巣腫瘍について説明せよ
・高エストロゲン血症について説明せよ
・内側腸骨リンパ節について、その周辺解剖と共に図示せよ
・本症例はリンパ節転移をしていた。治療のオプションについてのインフォームを書け

治療学分野

①肛門4時方向の皮膚腫瘤(肥満細胞腫)

・問診で聞くべきことを列挙せよ
・「脱顆粒した顆粒を背景とした無顆粒の肥満細胞腫の細胞診画像」細胞診所見と診断名を書け
・上記の塗沫を使ってできる追加検査を2つ書け
・上記の画像を細胞診の2段階分類で高グレードと診断した。その根拠を記載せよ
・上記の腫瘍の病理組織検査の結果は、XXXの3段階分類でグレード3、XXXの2段階分類で高グレードであった。XXXの名前を答え、追加治療の必要性の有無、追加治療のオプションについて書け

②猫の鼻腔内-眼窩の扁平上皮癌

・「鼻腔内-眼窩の腫瘍のCT画像」この画像の鑑別疾患を列挙せよ
・この症例に対する合理的な診断アプローチを書け
・このCT所見を説明せよ
・「扁平上皮癌の細胞診画像」眼窩外側から針生検した細胞診画像である。診断名と治療オプション、予後を説明せよ

③血球貪食性組織球性肉腫

・「血球貪食性組織球性肉腫の細胞診画像」脾臓から針生検した細胞診である。所見について説明せよ
・上記と鑑別しなければならない腫瘍と、確定診断に必要な検査を書け
・この腫瘍について説明せよ
・治療法と予後について書け