犬の抜け毛がひどい!それ、病気が原因かも?考えられる病気と対処法

愛犬との生活で避けて通れないのが犬の抜け毛問題です。この抜け毛には、心配のない生理現象によるものと、注意が必要な病気が隠れている場合があります。病気が原因の場合は適切な治療が必要なため、抜け毛の原因を正しく見極めることが重要です。

この記事では、犬の抜け毛の主な原因から、危険な病気のサイン、犬種別の特徴、そして具体的な対処法や対策までを詳しく解説します。

犬の抜け毛、原因は?

犬の抜け毛の主な原因
  • 病気(皮膚病、内分泌疾患など)
  • 生活環境(ストレス、アレルギー、衛生状態など)
  • 生理現象(換毛期)

犬の抜け毛には、大きく分けて「病気」「生活環境」「生理現象」の3つの原因が考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

原因その1:病気

犬の抜け毛が病気による場合、これを「脱毛症」と呼びます。脱毛症の原因となる病気には、クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった内分泌性疾患や、原因不明のアロペシアXなどがあります。

クッシング症候群

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)が過剰に分泌されることで発症する病気です。脳下垂体の異常が原因の「下垂体性」と、副腎の腫瘍が原因の「副腎腫瘍性」に分けられます。

主な症状として、脱毛のほかに多飲多尿(水をたくさん飲み、おしっこが増える)、食欲の増加、お腹の膨らみ、皮膚の色素沈着などが挙げられます。

この病気による脱毛は、かゆみを伴わない左右対称性の抜け毛が特徴です。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、特に高齢の犬に多く見られる病気です。体の代謝を活発にする甲状腺ホルモンの分泌が減少することで、様々な不調が現れます。

症状としては、脱毛以外に、皮膚がベタつく脂漏症、低体温、元気や食欲の低下などが見られます。

甲状腺機能低下症による脱毛も、かゆみを伴わない左右対称性の抜け毛や、しっぽの毛だけが抜けてネズミの尾のようになる「ラットテール」が特徴的です。

アロペシアX

アロペシアXは、毛周期(毛の生え変わりサイクル)が何らかの理由で停止してしまう、原因不明の脱毛症です。特に若齢の犬で見られることが多いとされています。

主な症状は、左右対称性の脱毛で、他の皮膚疾患を併発することもあります。

原因その2:生活環境

犬の抜け毛の原因として、アトピー性皮膚炎や、ノミ・ダニなどの寄生虫、カビ(真菌)や細菌といった不衛生な生活環境による感染症も挙げられます。これらが原因の場合、強いかゆみや皮膚の赤み、発疹などを伴うことが多く、犬が体を掻きむしることで毛が抜けてしまいます。

特に真菌(皮膚糸状菌症)が原因の場合、円形脱毛症(10円ハゲのような部分的な脱毛)が見られることがあります。

原因その3:生理現象

病気ではない生理現象としての抜け毛の代表が「換毛期」です。犬は年に2回、春と秋に被毛が生え変わる換毛期を迎えます。これは、季節の変化に対応するために自然に起こる現象です。

特に、被毛が二層構造になっているダブルコートの犬種(柴犬、ゴールデンレトリーバーなど)では、この換毛期の抜け毛は非常に多くなります。

犬の抜け毛、どんな症状?

病気や生活環境が原因で起こる犬の抜け毛には、様々な症状がみられます。単に毛が抜けるだけでなく、皮膚の状態にも注意を払うことが大切です。飼い主さんが注意すべき主な症状は以下の通りです。

  • 皮膚の強いかゆみや赤み
  • フケの増加
  • 皮膚が薄くなる、または黒ずむ(色素沈着)
  • 毛艶が悪くなる、毛がパサつく
  • 円形脱毛(部分的なハゲ)
  • 左右対称性の脱毛

これらの症状が見られた場合は、単なる生え変わりではない可能性があるため、注意深く観察し、動物病院へ相談することを検討しましょう。

犬の抜け毛、発症しやすい犬種はいる?

抜け毛の原因によっては、特定の犬種で発症しやすい傾向があります。

例えば、原因不明の脱毛症であるアロペシアXは、ポメラニアン、チャウチャウ、キースホンドといった北方系の犬種や、トイ・プードルによく見られると言われています。
一方、生理現象である換毛期の抜け毛が特に多い犬種は、被毛が二層構造になっているダブルコートの犬たちです。代表的な犬種には、柴犬、ウェルシュコーギー、ポメラニアン、ゴールデンレトリーバー、ボーダーコリーなどがいます。

犬の抜け毛、発症してしまった場合の対処は?

愛犬に抜け毛が見られた場合、その原因に応じた適切な対処が必要です。

生理現象

換毛期による抜け毛は病気ではないため、治療の必要はありません。ただし、抜け毛が部屋に散らばるのを防ぎ、皮膚の健康を保つために、こまめなブラッシングが非常に効果的です。換毛期だけでなく、日常的にブラッシングを行うことで、皮膚の通気性を良くし、皮膚病の予防にも繋がります。

 

病気

ホルモン異常や内臓疾患など、病気が原因の脱毛は、早期発見・早期治療が何よりも大切です。原因不明の脱毛や、かゆみ・赤みなど他の症状を伴う抜け毛に気づいたら、自己判断せず、できるだけ早く動物病院で獣医師の診察を受けてください。

原因によっては、投薬治療で改善する場合もあれば、生涯にわたって付き合っていく必要がある病気もあります。

生活環境

ノミ・ダニが原因の場合は、動物病院で処方される駆除薬を使ったノミ・ダニ対策が有効です。アトピー性皮膚炎や真菌症などが原因の場合は、獣医師による専門的な治療が必要です。アトピー性皮膚炎では、アレルギー検査で原因物質(アレルゲン)を特定し、それを生活から排除することが対処の基本となります。

犬の抜け毛、どんな検査が必要?

抜け毛の原因を特定するための主な検査
  • 皮膚検査(感染症・寄生虫の有無)
  • 血液検査(ホルモン異常・内臓疾患など)
  • アレルギー検査(アレルゲンの特定)

犬の抜け毛の原因を正確に突き止めるため、動物病院では以下のような検査が行われることがあります。

検査1:皮膚検査

犬の皮膚や抜け毛を直接調べることで、細菌や真菌(カビ)による感染、ノミ・ダニなどの寄生虫がいないかを確認します。顕微鏡での観察や培養検査を行い、原因となっている病原体を特定し、最適な薬を選択します。

検査2:血液検査

脱毛が全身に見られる場合や、ホルモン異常が疑われる場合に行われます。血液検査によって、クッシング症候群や甲状腺機能低下症といった内分泌疾患の可能性を判断できます。

検査3:アレルギー検査

アトピー性皮膚炎が疑われる場合、アレルギー検査によって原因物質(アレルゲン)を特定します。アレルゲンには、ハウスダストや花粉、カビといった環境由来のものや、特定の食べ物(食物アレルゲン)があります。原因を特定できれば、それらを避けることで症状の改善が期待できます。

犬の抜け毛、対策するには?

犬の抜け毛を予防・対策するには、まず原因を特定し、それに応じたアプローチが必要です。日頃からできる対策としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 定期的なブラッシングで皮膚の健康を保つ
  • ノミ・ダニの予防薬を定期的に投与する
  • 清潔な生活環境を維持し、ストレスを軽減する
  • バランスの取れた食事で免疫力をサポートする
  • シャンプーは犬用のものを使い、適切な頻度で行う

特に、外部寄生虫との接触を避けるために、散歩コースで草むらが深い場所は避けるなどの工夫も有効な対策です。

原因の特定が大切!

これまで見てきたように、犬の抜け毛の原因は生理現象から病気まで多岐にわたります。そのため、飼い主さんがその原因を正確に判断するのは困難です。

春や秋の換毛期であれば心配いりませんが、それ以外の時期に抜け毛がひどかったり、「強いかゆみ」「部分的なハゲ」「元気がない」といった他の症状が見られたりする場合は、病気のサインかもしれません。

愛犬の健康を守るためにも、普段と違う抜け毛に気づいたら、まずは動物病院に相談しましょう。定期的な健康診断も、病気の早期発見につながる大切な習慣です。

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