人間と同じように、猫も定期的な耳掃除が必要です。愛猫の健康を守るためにも、正しいケアの方法を知っておきましょう。
この記事では、猫の耳掃除の必要性から、適切な頻度、洗浄液を使ったやり方、嫌がる場合の対処法まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
猫の耳掃除はなぜ必要なの?
猫は体質的に皮脂の分泌が多く、耳垢が溜まりやすい動物です。この耳垢を放置すると、雑菌が繁殖し、外耳炎といった耳の病気や炎症を引き起こす原因になります。猫の耳の健康を保つために、定期的な耳掃除が必要なのです。
特に、スコティッシュフォールドのような垂れ耳の猫種は、耳の内部が蒸れて通気性が悪くなりがちです。そのため、他の猫種よりも雑菌が繁殖しやすいため、よりこまめに耳の状態をチェックしてあげましょう。
猫の耳掃除、頻度は?
猫の耳は非常にデリケートな器官で、本来は汚れにくい構造になっています。そのため、過度な耳掃除は必要ありません。健康な猫の場合、耳掃除の頻度は週に1回程度、耳の中をチェックし、汚れていれば掃除するくらいで十分です。
清潔にしたいからといって、毎日など頻繁に耳掃除を行うと、かえってデリケートな皮膚を傷つけ、トラブルの原因になる可能性があるので注意しましょう。
ただし、先述したスコティッシュフォールドのような垂れ耳の猫や、耳が汚れやすい体質の猫の場合は、状態に合わせて耳掃除の頻度を調整してください。
基本的な耳掃除の仕方は?
猫の基本的な耳掃除のやり方をご紹介します。まずは以下のものを用意しましょう。
- 猫用のイヤークリーナー(洗浄液)
- コットン(カット綿や脱脂綿)
- 猫用の綿棒(必要な場合)
綿棒は、人間用のものだと先端が硬く、猫の耳を傷つける危険性があるため、必ず柔らかい猫用のものを使用してください。これらはペットショップや動物病院、通販サイトなどで購入できます。
【耳掃除の基本的な手順】
- 洗浄液を染み込ませたコットンを指に巻きつけます。
- 猫の耳を優しくめくり、耳の入り口から見える範囲の汚れを、内側から外側に向かってそっと拭き取ります。
- 力を入れすぎず、ゴシゴシこすらないように注意しましょう。あくまでも優しく拭うのがポイントです。
慣れないうちは、綿棒よりも指先の感覚が分かりやすいコットンでの掃除が安全でおすすめです。
洗浄液を使った猫の耳洗浄
耳垢が多く溜まっている場合や、汚れがひどい場合には、洗浄液を使った耳洗浄が効果的です。ご家庭でできる耳洗浄のやり方は以下の通りです。
【耳洗浄の手順】
- 猫の耳の中に、イヤークリーナー(洗浄液)をたっぷりと注ぎ入れます。溢れるくらい入れても問題ありません。
- 耳の付け根(軟骨部分)を、クチュクチュと音がするようなイメージで優しくマッサージします。これにより、奥の耳垢が浮き上がってきます。
- 猫が頭をブルブルと振って、中の洗浄液と汚れを外に出すのを待ちます。
- 耳の入り口まで出てきた洗浄液や汚れを、コットンで優しく拭き取ります。耳の奥に残った洗浄液は自然に蒸発するため、無理に拭き取る必要はありません。
愛猫の耳が汚れやすい場合は、この耳洗浄を定期的に行うことで、耳の中を清潔に保つことができます。
猫が耳掃除を嫌がる場合の対処法
耳掃除を嫌がる猫は少なくありません。特に初めての耳掃除や、過去に痛い思いをした経験があると、強い抵抗を示すことがあります。猫が耳掃除を嫌がる場合は、以下の対処法を試してみてください。
- おやつタイムを活用する: 耳掃除が終わった後に大好きなおやつをあげることで、「耳掃除=良いことがある」と学習させます。
- スキンシップで慣らす: 普段から猫と遊んだり撫でたりする際に、優しく耳に触れる機会を増やし、耳を触られることへの抵抗感をなくしていきます。
- 二人で行う: 一人が猫を優しく抱きかかえ、もう一人が素早く掃除を行うと、猫への負担を減らせます。
もし、猫が異常なほど耳に触られるのを嫌がる場合は、外耳炎や中耳炎など、痛みや違和感を伴う病気が隠れている可能性も考えられます。その際は無理せず、すぐに動物病院で獣医師に診てもらいましょう。
猫の耳掃除は無理をしないことも大切
猫の耳の穴は、途中でL字型に曲がっている複雑な構造をしています。そのため、ご家庭での耳掃除は、あくまでも見える範囲の汚れを拭き取るだけに留めましょう。
耳の奥にこびりついた耳垢や、黒い塊のような汚れが見られる場合は、無理に取ろうとするとかえって耳垢を奥に押し込んでしまったり、鼓膜を傷つけたりする危険があります。
少しでも異常を感じたら、無理せずかかりつけの動物病院に相談することが最も大切です。専門家である獣医師の力を借りながら、愛猫の耳の健康を維持していきましょう。