猫のあごの黒いブツブツは「猫ニキビ」?原因と治し方、ケア方法

「あれ、うちの猫のあごに黒いブツブツが…?」人と同じように、猫にもニキビができることがあります。猫のあごによく見られる黒いポツポツとした汚れのようなものは、「猫ニキビ(座瘡・ざそう)」と呼ばれる皮膚の病気かもしれません。

この記事では、大切な愛猫の「猫ニキビ」について、考えられる原因から動物病院での治療法、そしてご家庭でできる対策・予防法までを詳しく解説します。

猫ニキビはあごの黒いできもの!原因は?

猫ニキビとは、主に猫のあごの下や口の周りにできる、黒い砂粒のようなブツブツです。これは毛穴に皮脂や角質が詰まったもので、専門的には「座瘡(ざそう)」と呼ばれます。初期症状では猫自身が気にする様子は少ないですが、放置すると悪化してかゆみや炎症を引き起こすこともあります。猫ニキビの正確な原因は特定されていませんが、主に以下の4つが関係していると考えられています。

皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり

ストレスやアレルギー、体質に合わないフードなどが原因で皮脂が過剰に分泌されると、古い角質や汚れと混ざって毛穴を塞いでしまいます。これが猫ニキビの直接的な原因(コメド形成)となります。

不十分なグルーミング(毛づくろい)

あごの下は猫自身が毛づくろいをしにくい場所です。そのため汚れが残りやすく、ニキビができやすい環境になります。特に、高齢の猫や肥満気味の猫、口内炎などでグルーミングがうまくできない場合に発症しやすくなります。

フードボウル(食器)の素材や雑菌

プラスチック製の食器は、目に見えない細かい傷がつきやすく、そこに雑菌が繁殖しがちです。食事のたびに汚れた食器があごに触れることで、皮膚に細菌が付着し、猫ニキビの原因や悪化につながることがあります。陶器製やステンレス製の食器に変えるだけでも改善が見られるケースがあります。

ストレスやホルモンバランスの乱れ

引っ越しなどの環境の変化によるストレスや、避妊・去勢手術、その他の病気の治療によるホルモンバランスの乱れが、皮膚のターンオーバーに影響を与え、猫ニキビを引き起こす一因となることもあります。

猫ニキビ、治療法は?自然治癒はする?

軽度の猫ニキビであれば自然に治ることも稀にありますが、基本的には自然治癒は難しいと考えましょう。むしろ、放置することで症状が悪化するリスクがあります。

猫ニキビを放置すると、猫がかゆみを感じてあごを家具などにこすりつけたり、後ろ足で引っ掻いたりします。その結果、皮膚が傷つき出血したり、そこに細菌が感染して炎症が広がる「二次感染」を起こしたりします。重症化すると痛みも伴うため、早めの対応が重要です。猫ニキビを見つけたら、まずは動物病院を受診しましょう。

ご家庭で猫ニキビを無理に潰したり、人間のニキビケア用品を使ったりするのは絶対にやめてください。かえって皮膚を傷つけ、症状を悪化させる原因になります。動物病院では、主に以下のような治療が行われます。
・患部の消毒、洗浄
・抗生物質や抗炎症薬(ステロイドなど)の軟膏塗布
・症状が重い場合は、抗生物質の内服薬の処方
獣医師の指示に従い、適切な頻度と量で治療してあげてください。

猫ニキビ、対策法は?

猫ニキビの治療と並行して、ご家庭でのケアや対策を行うことで、再発を予防することができます。基本は「あご周りを清潔に保つこと」です。

  • 食後はあごを拭く
    ぬるま湯で湿らせたコットンや柔らかいガーゼで、食後に汚れたあご周りを優しく拭き取ります。ゴシゴシこすらず、付着したフードのカスや皮脂を吸い取るように拭くのがポイントです。拭いた後は、湿ったままにせず、乾いた布で軽く押さえて水分を取り除きましょう。
  • 食器を見直す
    雑菌が繁殖しにくい陶器製、ガラス製、ステンレス製の食器に変更し、毎回きれいに洗いましょう。
  • ストレスの少ない環境を整える
    猫が安心して過ごせる静かな場所を確保したり、おもちゃで遊ぶ時間を増やしたりして、ストレスを軽減してあげましょう。
  • フードを見直す
    特定のフードが体質に合わず、皮脂の分泌を促している可能性もあります。獣医師に相談の上、アレルギー対応食や良質なタンパク質を含むフードへの切り替えを検討するのも一つの方法です。

これらの対策は、猫ニキビの予防にも繋がります。日々のスキンシップを兼ねて、あごの状態をチェックする習慣をつけましょう。

猫ニキビは気長に治そう

猫ニキビは一度発症すると再発しやすく、完治までに時間がかかることも少なくありません。「早く治してあげたい」と焦る気持ちは分かりますが、根気強くケアを続けることが最も重要です。飼い主さんが神経質になりすぎると、猫にもストレスが伝わってしまいます。日々のケアを習慣にし、愛猫とのコミュニケーションの一環として、気長に向き合っていきましょう。気になることがあれば、一人で悩まずに獣医師に相談してくださいね。

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