猫がかかりやすい病気一覧|症状で見つける早期発見のポイント

いつもは元気な愛猫の様子が少し違うと「もしかして調子が悪いのかな?」と、とても心配になりますよね。猫は本能的に不調を隠す習性があるため、飼い主さんが普段から注意深く観察し、ささいな変化に気づいてあげることが重要です。この記事では、飼い主さんが知っておきたい猫の病気のサインや原因、そして家庭でできる対策について詳しく解説します。

愛猫の健康を守るために、どのような点に注意すればよいのか一緒に確認していきましょう。

猫の調子が悪い?病気の可能性は?

猫がふらついていたり、ぐったりしていたり、いつもと違う様子を見せるときは、何らかの病気のサインかもしれません。特に以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。複数が当てはまる場合や、症状が続く場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 元気・食欲がない:大好きなおやつに興味を示さない、一日中寝てばかりいる。
  • 嘔吐・下痢:一日に何度も吐く、水のような下痢や血便が出る。
  • 呼吸の異常:口を開けてハァハァと呼吸する(口呼吸)、呼吸が速い、苦しそう。
  • トイレの異常:何度もトイレに行くのに尿が出ない、トイレ以外の場所で粗相をする、排尿時に痛そうに鳴く。
  • 見た目の変化:目やにが多い、涙目、鼻水、よだれが多い、毛づやが悪くなった。
  • 行動の変化:体を頻繁にかく、同じ場所を気にして舐め続ける、暗くて狭い場所に隠れて出てこない。

特に口呼吸や、ぐったりして動かない、けいれんを起こしているといった場合は、命に関わる危険な状態です。夜間や休日であっても、救急対応の動物病院に連絡してください。

猫の病気の原因は、主にウイルスと寄生虫。対策方法は?

猫の病気の主な原因として「ウイルス感染」と「寄生虫感染」が挙げられます。これらの原因に対する正しい知識と対策が、愛猫を病気から守る鍵となります。

主な原因と対策方法

  • ウイルス感染:猫風邪(猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルス)や、より重篤な猫白血病ウイルス感染症(FeLV)、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)などがあります。感染猫との接触でうつるため、多頭飼いや屋外に出る猫は特に注意が必要です。
    【対策】混合ワクチンの定期的な接種が最も効果的です。また、完全室内飼育を徹底することで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
  • 寄生虫感染:ノミやマダニといった外部寄生虫、お腹の中に棲みつく回虫などの内部寄生虫がいます。皮膚炎や貧血、下痢などを引き起こし、中には人間に感染するものもあります。
    【対策】動物病院で処方される駆虫薬を定期的(月に1回など)に投与することが重要です。飼育環境を清潔に保つことも予防につながります。

これらの他に、誤飲、アレルギー、加齢による慢性腎臓病や心臓病、肥満が原因の糖尿病など、様々な病気があります。定期的な健康診断で、病気の早期発見に努めましょう。

猫がウイルスの病気にかかったときの症状は?

猫がウイルスに感染すると、いわゆる「猫風邪」をはじめ、様々な症状が現れます。猫は毛玉を吐くことがありますが、それとは違う、以下のような症状が見られたらウイルスの病気を疑いましょう。

  • 呼吸器の症状:くしゃみ、透明〜黄緑色の鼻水、鼻づまり。
  • 目の症状:目やに、涙目、結膜炎による目の充血や腫れ。病気が進行すると角膜が濁ることもあります。
  • 口の症状:口内炎による痛みで食事がとれない、よだれが増える、口臭が強くなる。
  • 全身の症状:発熱、元気消失、食欲不振。

これらの症状は、猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなどが原因で起こることが多いです。子猫や高齢の猫、免疫力が低下している猫は重症化しやすいため、特に注意が必要です。

猫が寄生虫の病気にかかったときの症状は?

寄生虫には、皮膚につく「外部寄生虫」と、お腹の中にいる「内部寄生虫」がいます。それぞれで症状が異なります。

【外部寄生虫(ノミ・マダニなど)の症状】

  • しきりに体をかゆがる、毛づくろいが激しくなる。
  • 皮膚の赤み、湿疹、脱毛。
  • 黒い砂のような粒(ノミのフン)が毛の根元に見られる。

【内部寄生虫(回虫・条虫など)の症状】

  • 下痢や軟便、便に血が混じる。
  • 食欲はあるのに痩せてくる、逆にお腹だけがぽっこり張る。
  • お尻を床にこすりつけて歩く。
  • 便や吐いたものの中に、そうめんのような虫体が見られることがある。

寄生虫が疑われる場合は、速やかに動物病院で糞便検査などを受け、適切な駆虫薬を処方してもらいましょう。特に回虫などは人間の子どもに感染するリスクもあるため、早期の治療が大切です。

猫の病気、治療法は?

猫の病気の治療は、原因や症状によって様々ですが、基本的には動物病院での獣医師による診断と治療が必要です。自己判断で人間用の薬を与えると、中毒を起こす危険があるため絶対にやめましょう。

主な治療法には以下のようなものがあります。

  • 薬物療法:ウイルス感染には抗ウイルス薬やインターフェロン、細菌の二次感染を防ぐための抗生物質などが使われます。寄生虫には、専用の駆虫薬を投与します。
  • 対症療法:脱水症状があれば点滴を行い、食欲がなければ栄養価の高い療法食や強制給餌を行うなど、症状を和らげる治療をします。
  • 食事療法:腎臓病や尿路結石、食物アレルギーなど、特定の病気に対して、成分を調整した療法食で管理します。
  • 外科手術:腫瘍の摘出や、誤飲した異物の取り出し、骨折の治療などの場合に行われます。

治療法は獣医師とよく相談し、愛猫にとって最適な方法を選択しましょう。

猫の病気は早期発見、早期治療が大切

多くの病気は、早期に発見し、早期に治療を開始することが、愛猫の負担を軽くし、回復への一番の近道となります。猫は不調を隠す名人です。飼い主さんが「あれ?」と気づいたときには、病気が進行しているケースも少なくありません。

日頃から以下の点をチェックする習慣をつけ、愛猫の小さな変化を見逃さないようにしましょう。

  • 食欲と飲水量:いつもと比べて多すぎたり少なすぎたりしないか。
  • おしっことうんち:色、量、回数、硬さはいつも通りか。
  • 体重:定期的に測定し、急な増減がないか確認する。
  • 様子:元気はあるか、遊びに誘っても反応が薄くないか。
  • 体:体を触ってしこりがないか、目やにや鼻水は出ていないか。

特に体力のない子猫や、免疫力が落ちてくる高齢の猫は、病気の進行が早いことがあります。少しでも「いつもと違う」と感じたら、ためらわずに獣医師に相談することが、愛猫の命と健康を守ることにつながります。

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