猫のノミ・ダニ、症状と駆除・予防法|室内飼いでも油断禁物!

愛猫の体を痒がらせ、ときには重い病気の原因にもなるノミとダニは、猫にとって最も代表的な外部寄生虫です。完全室内飼いの猫でも、飼い主が外から持ち込んでしまうことがあるため油断はできません。この記事では、猫に寄生するノミとダニの具体的な感染経路、引き起こされる症状、そして効果的な対策・予防法について詳しく解説します。

猫に寄生するノミの感染経路、対策は?

猫に寄生するノミは、驚異的な繁殖力を持つ厄介な存在です。まずは、猫への主な感染経路と、寄生された場合に見られる症状を理解し、適切な対策を講じましょう。

主な感染経路
  • ノミが寄生している他の猫や犬との接触
  • ノミの卵や幼虫がいる草むらや公園への立ち入り
  • 飼い主の衣服や靴に付着して室内へ持ち込まれる
ノミによる症状・危険性

ノミが猫に寄生すると、吸血時の唾液がアレルゲンとなり、以下のような症状を引き起こします。

  • 激しいかゆみと、それに伴う掻き壊しによる皮膚炎
  • ノミアレルギー性皮膚炎(腰から尾の付け根にかけての赤いブツブツ、脱毛)
  • 多数寄生による貧血(特に子猫は命に関わるため注意が必要)
  • 瓜実条虫(サナダムシ)といった内部寄生虫の媒介

ノミの対策と駆除方法

猫のためのノミ対策は、予防と駆除の両面から行うことが重要です。特にノミが活発になる春から秋にかけては、徹底した対策を心がけましょう。

  • 定期的な駆除薬の投与:動物病院で処方されるスポットタイプや経口タイプの駆除薬が最も効果的です。獣医師に相談し、愛猫に合った薬を定期的に使用しましょう。
  • ノミの発見方法:目の細かいノミ取り櫛で毛をすくと、ノミ本体や黒い粒状のフン(水に濡らすと赤く滲むのが特徴)が見つかることがあります。
  • 生活環境の清掃:ノミは猫の体だけでなく、カーペットやソファにも卵を産み付けます。こまめな掃除機がけや猫の寝床の洗濯も重要な対策です。

猫に寄生するダニの感染経路、対策は?

猫に寄生するダニは、草むらなどに潜み、通りかかった動物や人にとりついて吸血します。猫の健康を脅かすだけでなく、人にも感染症を媒介することがあるため、正しい知識を持って対策することが不可欠です。ここでは代表的なマダニとヒゼンダニについて解説します。

主な感染経路
  • 草丈の低い草むら、茂み、河川敷などへの立ち入り
  • 散歩中の他の動物との接触
  • 飼い主が屋外から持ち込む

ダニの対策と予防法

猫をダニから守るための基本は、寄生させない予防と、寄生された際の早期駆除です。

  • 定期的な駆除薬の投与:ノミと同時に駆除できる薬が一般的です。必ず獣医師の指示のもと、猫用の製品を使用してください。
  • 屋外環境への注意:屋外へ出る猫の場合、ダニが多く潜む草むらなどには、なるべく近づかないようにしましょう。
  • 帰宅後のボディチェック:外出後には、体全体、特に耳や顔周り、指の間などをチェックし、ダニが付着していないか確認する習慣をつけると安心です。

マダニ

マダニは比較的大きく、肉眼でも確認しやすいダニです。吸血すると小豆ほどの大きさ(1cm程度)に膨れ上がることもあります。無理に取ろうとするとマダニの口器が皮膚に残り、化膿することがあるため、発見した場合は自分で取らずに動物病院で処置してもらいましょう。

マダニは吸血による皮膚炎だけでなく、猫や人に「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」などの危険な感染症を媒介する可能性があります。SFTSは致死率の高い病気であり、マダニ対策は愛猫と飼い主自身の命を守るためにも極めて重要です。

ヒゼンダニ

ヒゼンダニ(猫小穿孔ヒゼンダニ)は非常に小さく(体長0.3mm程度)、肉眼での確認は困難です。猫の皮膚にトンネルを掘って寄生し、激しいかゆみを引き起こす「疥癬(かいせん)」という皮膚病の原因となります。

主に顔や耳、足先などにフケや脱毛といった症状が出やすく、感染した猫との接触が主な感染経路です。感染力が非常に強く、人にもうつって一時的な皮膚炎を起こすことがあるため、多頭飼いの場合は特に注意が必要です。治療には動物病院での注射や滴下式の駆除薬が用いられます。

ノミ、ダニは駆除も対策も

ここまで見てきたように、猫に寄生するノミやダニは、単なるかゆみだけでなく、アレルギーや恐ろしい感染症を引き起こす危険な存在です。小さくて見つけにくいため、寄生されてからの「駆除」だけでなく、日頃からの「予防・対策」が何よりも大切になります。

愛猫をノミ・ダニの脅威から守るためには、定期的な駆除薬の投与を基本とし、室内環境を清潔に保つことが重要です。そして、毎日スキンシップをとる中で、体を痒がっていないか、皮膚に異常はないかなど、愛猫の小さな変化にいち早く気づいてあげましょう。もし何か異変を感じたら、自己判断せず、すぐに動物病院に相談してくださいね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です