猫がにゃーにゃー鳴く様子はとても可愛いですよね。あの鳴き声に癒やされる方も多いのではないでしょうか。
しかし、いつもは元気な愛猫の声が急に出なくなったり、かすれたりしたら、飼い主としてはとても心配になりますよね。いつもと違う様子に、どう対処すれば良いか戸惑ってしまうかもしれません。
- ✓猫が声を出せなくなるのは何が原因?
- ✓病気の可能性もあるの?
- ✓こんなときには何をしてあげればいい?
愛猫にそんな様子が見られたら、このような疑問や不安が頭をよぎるのではないでしょうか。
猫の声が出ない・かすれる原因には、一時的なものから病気が隠れている危険なケースまで様々です。そのため、原因を正しく見極め、適切に対処することが重要です。
そこでこの記事では、猫の声が出ない、またはかすれる場合に考えられる原因と、それぞれの対処法について詳しく解説します。愛猫の異変にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
何が原因で声が出ない、かすれる?
猫の声が出ない、かすれるといった症状には、主に4つの原因が考えられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
鳴きすぎ
発情期や環境の変化、飼い主への要求などで長時間鳴き続けると、人間の声帯と同じように猫の喉も炎症を起こし、声がかすれたり出なくなったりすることがあります。これは一時的な声枯れで、喉を休ませれば回復することがほとんどです。
対処法は、猫を興奮させすぎないように静かな環境を整え、しばらく様子を見守ることです。もし動物病院で鳴きすぎが原因と診断された場合は、指示に従いましょう。通常は数日で自然に回復しますよ。
ストレス
猫は非常にデリケートな動物です。引越しや模様替え、家族構成の変化、長時間の留守番といった環境の変化によるストレスが原因で、声が出なくなることがあります。この場合の原因として多いものは「環境が変化した」「1匹で過ごす時間が増えた」「新しいペットを飼い始めた」「からだの調子が悪い」などです。
最近頻繁に鳴いたわけでもないのに声が出ない、かすれるといった場合は、ストレスを溜め込んでいないかを疑いましょう。
対処法は、まず愛猫のストレスになっている原因を特定し、取り除いてあげることです。ストレスサインはすぐに出るとは限らず、数週間前の出来事が影響している可能性も考慮しましょう。愛猫がリラックスできる安心な環境づくりを心がけてくださいね。
去勢手術
去勢・避妊手術の際に挿管(気管にチューブを入れること)を行うため、その影響で術後数日間、声がかすれたり出にくくなったりすることがあります。これは一時的な症状で、数日経てば自然に治まることがほとんどですので、過度な心配は不要です。
病気
鳴きすぎやストレスなどの心当たりがないのに声のかすれが続く場合、病気が原因となっている可能性があります。特に注意したい病気は以下の通りです。
喉頭炎
ウイルス感染や異物の吸引などによって喉(喉頭)が炎症を起こす病気です。声がかすれるだけでなく、咳や呼吸困難を引き起こすこともあります。
気管虚脱
気管が潰れて呼吸がしにくくなる病気です。特に小型犬に多いですが、猫でも見られます。「ガーガー」というアヒルのような咳や、呼吸困難が特徴的な症状です。
猫伝染性鼻気管炎
「猫風邪」とも呼ばれるヘルペスウイルスによる感染症です。くしゃみ、鼻水、目ヤニ、発熱などの症状と共に、喉の炎症から声がかすれることがあります。
これらの病気は自然治癒が難しく、放置すると重症化したり、他の病気を併発したりする危険があります。様子見をせず、異変に気づいたらすぐに動物病院を受診しましょう。
vet所属獣医師先生
こんな症状が見られたら早めに病院へ!
声が出ない・かすれるという症状に加えて、以下のような様子が見られる場合は、緊急性が高い可能性があります。命に関わる病気が隠れていることもあるため、迷わず動物病院へ連れて行きましょう。
咳をしている
元気・食欲がない
ぐったりしている
夜鳴きが増えた
下痢・嘔吐をする
よだれが止まらない
これらの症状は、先に挙げた喉の病気だけでなく、異物の誤飲や中毒、心臓病、腫瘍など、より深刻な病気のサインである可能性が考えられます。特に誤飲は、何をどれだけ食べたかによって命に危険が及ぶこともあります。声の異常だけでなく、全身の状態を冷静に観察することが重要です。
気になる初期症状は獣医師に相談してみる
「いつもと鳴き声が違う」「かすれている気がするけど、病院に行くべきか判断できない」。そんな飼い主さんだからこそ気づける愛猫の小さな変化は、病気の重要なサインかもしれません。自己判断で様子見をしてしまうのは危険です。
受診を迷う場合は、おかしいと感じる鳴き声を動画で撮影しておきましょう。獣医師に状況が伝わりやすくなり、的確な診断の助けになります。どんな些細なことでも、まずはかかりつけの獣医師に相談することが大切です。
声だけではなく、それ以外の症状にも気をつける
猫の声のかすれは、鳴きすぎなど一過性のもので自然に治ることもあります。しかし、安易に自己判断せず、声以外の症状にも注意深く目を向ける習慣をつけましょう。例えば、咳を頻繁にする、呼吸が苦しそう、目ヤニや鼻水が多い、よだれが止まらないといった症状が伴う場合は、病気の可能性が濃厚です。ためらわずに動物病院を受診してくださいね。
vet所属獣医師先生