自宅でできる犬のお手入れ10選|正しいやり方で病気を早期発見!健康チェックリスト

愛犬のお手入れは、見た目を美しく保つためだけに行うものではありません。最も重要な目的は、愛犬の体に触れることで、日々の健康状態を細かくチェックし、病気の早期発見につなげることです。

「ブラッシング」や「シャンプー」、「歯磨き」といった定期的な愛犬のお手入れは、飼い主が愛犬の体中に隠れた細かな変化に気づく絶好の機会となります。具体的には、以下のようなお手入れが挙げられます。

  • ブラッシング
  • トリミング・カット
  • お風呂・シャンプー
  • 歯磨き・デンタルケア
  • 爪切り
  • 耳掃除
  • 肉球ケア

これらの日々のケアを通じて、愛犬の病気やケガを未然に防ぐことができます。この記事では、自宅でできる愛犬のお手入れ方法について、それぞれの詳しいやり方やコツを解説した全記事をまとめています。

愛犬のお手入れ1:ブラッシング

愛犬のお手入れの基本であり、コミュニケーションの第一歩となるのがブラッシングです。ブラッシングは、愛犬の被毛をとかして毛玉や抜け毛を取り除くだけでなく、フケや皮膚炎など、愛犬の皮膚の健康状態を細かくチェックするという重要な目的があります。

愛犬に合った正しいブラッシング方法を知り、快適な時間にしてあげることが大切です。ぜひこちらの記事で詳しいやり方をご確認ください。

犬種ごとのポイント

ひとくちにブラッシングといっても、犬種によって毛質(シングルコート・ダブルコート)や毛の長さが異なるため、最適な方法や道具も変わります。例えば、毛が絡まりやすいトイプードルと、抜け毛が多い柴犬とでは、使うブラシの種類や頻度が異なります。

自宅で行う方法

ご自宅で飼い主さんがブラッシングを行う際、最も大切なのは「優しい力加減」です。皮膚を傷つけないよう、スリッカーブラシやコームを正しく使い分けることが求められます。ブラッシングが「飼い主さんとの心地よい時間」になるか「痛くて苦しい我慢の時間」になるかは、飼い主さんの技術次第です。

嫌がる理由と対処法

ブラッシングを嫌がる場合、「過去に痛みを感じた」「ブラシが怖い」など様々な理由が考えられます。まずは愛犬との信頼関係を深め、おやつなどを使いながら「ブラッシングは楽しいこと」だと教えてあげることが、克服への近道です。

愛犬のお手入れ2:トリミング

トリミングと聞くと、トリミングサロンでプロのトリマーにカットしてもらうイメージが強いかもしれません。しかし、犬種によっては足裏の肉球周りや肛門周りの毛がすぐに伸びてしまい、汚れが付着しやすくなります。衛生を保つためにも、サロンでの定期的なトリミングとは別に、自宅で部分的なカットができるようになっておくと非常に便利です。

特にシニア犬(高齢犬)の場合は、長時間のトリミングが体に大きな負担をかけることがあります。自宅でこまめにケアすることで、一回あたりの時間を短く抑えてあげましょう。

愛犬のお手入れ3:トイレトレーニング

愛犬と飼い主さんがお互いに気持ちよく快適な毎日を過ごすために、トイレトレーニングは欠かせないしつけの一つです。室内での衛生環境を保つという意味で、トイレのしつけも大切なお手入れと言えるでしょう。

トイレの場所を決め、愛犬が成功したらたくさん褒めてあげることが成功のポイントです。初めのうちは失敗がつきものですが、決して怒らずに根気強く教えましょう。

トイレトレーの選び方

トイレトレーを選ぶコツ

大きさ:体の向きを変えられる、体の1.5倍程度のサイズが目安
性能・材質:掃除のしやすさ、メッシュ付きなどの機能性

愛犬の体格や年齢に合わせてトイレトレーを選ぶことで、トイレがよりストレスフリーな空間になります。特に子犬やシニア犬には、出入りしやすい段差のないバリアフリータイプがおすすめです。また、囲まれた場所を好む子、開放的な場所を好む子など、性格に合わせた設置場所の配慮も大切です。

トイレシートの選び方

トイレシートは、吸収力や消臭力、シートの厚さなどを基準に、愛犬のおしっこの量や頻度に合わせて選ぶのがおすすめです。交換頻度が低い場合は、厚手で吸収力の高いタイプを選ぶと良いでしょう。

老犬のオムツ

足腰が弱くなったり、認知機能が低下したりすると、決められた場所でのトイレが難しくなることがあります。犬用のオムツを使用することは、愛犬の体を清潔に保ち、皮膚トラブルを防ぐだけでなく、飼い主さんの介護の負担を軽減することにも繋がります。

愛犬のお手入れ4:においケア

愛犬のにおいケアも、健康状態を知る上で重要なお手入れです。犬の体臭は、皮膚の常在菌や皮脂、耳の汚れ、肛門腺、そして口臭など、様々な原因によって発生します。気になるにおいの原因を関連記事から探り、適切なケアを行いましょう。

特に口臭は、歯周病が原因となっているケースが多く見られます。子犬期からのデンタルケアで口内環境を整えることが、将来の健康を守る鍵となります。口臭の原因と対策については以下の記事をご確認ください。

愛犬のお手入れ5:お風呂・シャンプー

愛犬にお風呂やシャンプーを好きになってもらうコツは、シャワーの音や水に慣れさせ、短い時間からチャレンジすることです。また、体に負担をかけないよう、食後すぐのシャンプーは避けましょう。

シャンプー

シャンプーの頻度は、皮膚の状態にもよりますが、月に1〜2回が目安です。シャンプー前には必ずブラッシングで毛のもつれを解き、犬用のシャンプーを使って優しく洗いましょう。すすぎ残しは皮膚トラブルの原因になるため、十分に洗い流すことが重要です。

ドライヤー

シャンプー後のドライヤーは、被毛と皮膚を速やかに乾かすことが大切です。生乾きの状態は雑菌が繁殖しやすく、皮膚病の原因にもなります。スリッカーブラシで毛をかき分けながら、皮膚までしっかりと乾かしてあげましょう。ドライヤーを嫌がる時の対処法はこちらで紹介しています。

愛犬のお手入れ6:歯磨き

多くの飼い主さんを悩ませるのが「愛犬の歯磨き問題」です。しかし、3歳以上の成犬の約8割が歯周病、またはその予備軍であるというデータもあり、毎日の歯磨きは愛犬の健康寿命を延ばすために非常に大切なお手入れです。

歯周病菌が血液に乗って全身に回り、心臓病や腎臓病などの深刻な病気を引き起こすこともあります。まずは歯磨きに慣れてもらうことから始めましょう。

歯磨きガム

どうしても歯ブラシでの歯磨きを嫌がる場合は、歯磨きガムやデンタルおもちゃを活用するのも一つの方法です。ガムを噛むことで唾液の分泌が促され、歯の表面の汚れを落とす効果が期待できます。ただし、歯ブラシでのケアに比べると効果は限定的です。歯磨きに慣れるまでの補助として利用するのがおすすめです。

愛犬のお手入れ7:爪切り

犬の爪は、アスファルトなどを歩くことで自然に削れますが、室内飼いが中心の現代では伸びすぎてしまうことが多く、定期的な爪切りが必要です。爪が伸びすぎると、歩行時に滑ったり、カーペットに引っ掛けて根元から折れたりする危険があります。

爪切りを行う際は、犬用の爪切り(ギロチンタイプやニッパータイプ)を使用し、血管が通っているピンク色の部分を避け、爪の先端の白い部分だけを切るのがポイントです。黒い爪の場合は血管が見えにくいため、少しずつ慎重に切り進めましょう。

愛犬のお手入れ8:耳掃除

愛犬の耳掃除は、毎日行う必要はなく、定期的に耳の中をチェックして、汚れやにおいが気になったタイミングで行います。特に垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすく、外耳炎などのトラブルを起こしやすいため、こまめなチェックが欠かせません。

ケアする際は、コットンに犬用のイヤークリーナーを染み込ませ、見える範囲の汚れを優しく拭き取ります。耳の奥まで綿棒などを入れるのは危険なので絶対にやめましょう。

愛犬のお手入れ9:肉球ケア

プニプニとした犬の肉球は、歩行時の衝撃を吸収するクッションの役割や、滑り止めの機能を持っています。大切な肉球ケアも忘れてはいけません。

夏場のアスファルトでの火傷や、冬場の乾燥によるひび割れなど、肉球はダメージを受けやすい部位です。散歩の後は汚れを拭き取り、乾燥が気になるときは専用のクリームで保湿してあげましょう。この記事では、肉球のお手入れ方法や怪我をした時の対処法を紹介しています。

愛犬のお手入れ10:マッサージ

愛犬へのマッサージは、血行を促進し、心身をリラックスさせる効果があります。それだけでなく、全身を優しく触ることで、しこりや痛がる場所がないかなど、体の異変を早期に発見できるというメリットもあります。

ブラッシングと同様に、リラックスできる優しい力加減が大切です。正しいやり方を学び、愛犬とのスキンシップの時間を楽しみましょう。

アロママッサージ

アロマオイルを使ったマッサージは、より高いリラックス効果が期待できます。ただし、犬にとって有害なアロマもあるため、必ず犬に使用できる安全なものを選んでください。

泥パック

スペシャルケアとして、犬用の「泥パック」も人気です。ミネラル豊富な泥が、皮膚や被毛に潤いを与え、においを吸着する効果が期待できます。サロンでの料金や自宅でのやり方は関連記事で紹介しています。

正しい知識とやり方を学べば自宅でもできる!

いかがでしたか。

月に一度のプロによるお手入れも大切ですが、それと同じくらい、飼い主さんが行う毎日の小さなお手入れの積み重ねが重要です。

「正しいやり方」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずは「力を入れすぎない」「愛犬が嫌がることは無理強いしない」といった、基本的な注意点を守ることから始めてみてください。

定期的に愛犬の体に優しく触れ、愛情を持って観察する機会を設けることこそが、愛犬の健康と幸せに繋がるのです。ぜひこの記事を参考に、愛犬のお手入れにチャレンジしてみてくださいね。

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