犬が肉球をなめる理由とは?乾燥や病気など原因別の正しいケア方法

犬の肉球は、歩行やジャンプの際に衝撃を吸収するクッションの役割を果たし、愛犬の足腰の骨や関節を守る非常に重要なパーツです。

また、足裏の汗腺で体温を調節したり、地面の状況を感じ取るための神経や血管が集中していたりと、犬が健康に生きていくうえで欠かせない多くの役割を担っています。

この記事では、そんな大切な愛犬の肉球を健やかに保つための具体的なお手入れ方法から、万が一の怪我や病気が疑われるときの対処法まで、飼い主さんが知っておくべき情報を詳しく解説します。

犬の肉球、手入れ方法は?

犬の肉球は汗で湿りやすく、地面の汚れも付着しやすいため、毎日の散歩後には手入れをして清潔に保つことが大切です。ただし、間違った手入れはかえって肉球を傷つける原因になります。

濡れタオルや薄めた石鹸水でゴシゴシ拭くと、汚れや石鹸カスが指の間に残り、炎症を引き起こすことがあるため注意が必要です。正しい手入れ方法で、愛犬の肉球を守りましょう。

STEP.1
洗浄・除菌
肉球ケア専用の洗浄・除菌スプレーを足裏全体に優しく吹きかけます。
STEP.2
拭き取り
乾いた清潔なタオルで、指の間まで丁寧に水分を拭き取ります。
STEP.3
保湿
肉球ケア専用のクリームやバームを塗り込みます。これにより乾燥やひび割れを防ぎ、怪我の予防に繋がります。

肉球が乾燥する原因は?

犬の肉球は、さまざまな理由で乾燥し、カサカサになってしまうことがあります。乾燥が悪化すると、ひび割れやあかぎれを起こし、痛みから歩くのを嫌がるようになることもあります。

考えられる原因

・空気の乾燥(特に冬場)
・夏場の熱いアスファルトやコンクリート上の散歩
・散歩後の足の拭きすぎ
・加齢によるもの
・アレルギーやアトピー性皮膚炎

肉球にも血管が通っているため、ひどいひび割れから出血してしまう可能性もあります。愛犬が頻繁に肉球をなめているのは、乾燥による違和感のサインかもしれません。日頃から肉球の状態をこまめにチェックし、早めの保湿ケアを心がけましょう。

犬が肉球をなめる理由は?

犬が自分の肉球をなめるのは、毛づくろい(グルーミング)の一環であり、基本的には自然な行動です。しかし、あまりにも執拗になめ続けたり、噛んだりしている場合は、何らかのトラブルを抱えているサインかもしれません。

▼犬が肉球をなめる主な理由

  • お手入れ(グルーミング):自分で綺麗にしている。
  • かゆみや痛み:怪我、乾燥、アレルギー、指間炎(しかんえん)などで炎症を起こしている。
  • 異物の付着:小石や植物の種などが指の間に挟まっている。
  • ストレス:退屈や不安から、気を紛らわすためになめている。

肉球は丈夫に見えますが、常に地面に接しているため、私たちが思う以上に怪我をしやすいデリケートな部位です。また、一度傷つくと他の部位より治りが遅い傾向があるため、普段と違う様子が見られたら、すぐによく観察してあげましょう。

放っておくと皮膚トラブルに繋がる可能性も

上で述べた通り、犬が肉球をなめるのは炎症によるかゆみや痛みが原因かもしれません。犬の舌はザラザラしているため、なめ続けることで皮膚のバリア機能を壊し、さらに症状を悪化させてしまう悪循環に陥りがちです。愛犬の健康のためにも、飼い主さんが原因を突き止め、適切なケアをしてあげることが大切です。

犬の肉球が怪我したときの手当方法

散歩中などに肉球を怪我してしまった場合、犬は傷口を気にしてなめようとしますが、まずはそれを止めさせましょう。唾液には多くの細菌が含まれており、傷口をなめると化膿のリスクが高まります。

出血の程度で対応が変わる

▼基本的な応急手当の手順

  1. 傷口の洗浄:出血がひどくなければ、まず水道の流水で傷口の汚れや異物を優しく洗い流します。しみる消毒液は使わず、水だけで済ませるのがポイントです。
  2. 止血:清潔なガーゼやコットンを傷口に当て、数分間圧迫して止血します。
  3. 動物病院へ:小さな傷でも、一度動物病院で診てもらうのが安心です。

出血がひどい場合や、明らかに深い傷の場合は、洗浄せずにすぐにガーゼなどで圧迫止血しながら動物病院へ向かってください。特に大型犬は体重が肉球にかかるため傷の治りが遅く、細菌感染のリスクも高まります。自己判断せず、獣医師による適切な処置を受けましょう。

犬の肉球がこんな場合は病気かも?

肉球のトラブルは、単なる怪我だけでなく、病気のサインである可能性もあります。以下のような症状が見られたら、注意が必要です。

▼注意すべき肉球の異常

  • 肉球が異常に腫れている、水ぶくれがある
  • 特定の部分だけ硬くなっている(角化症)
  • イボやしこりができている(腫瘍の可能性)
  • いつもと色が違う(白、黒、紫など)
  • 肉球や指の間から嫌な臭いがする

また、肉球に怪我があり、同時にけいれんや体のこわばりが見られる場合は「破傷風」の疑いがあります。破傷風は土の中に潜む破傷風菌が傷口から侵入して起こる細菌感染症で、命に関わることもある危険な病気です。

破傷風に感染すると、全身の筋肉が硬直し、最悪の場合は呼吸困難に陥ります。感染が疑われる場合は、一刻も早く動物病院を受診してください。病院では抗生物質や血清の投与による治療が行われます。

犬の肉球を怪我や病気から守るために

愛犬の大切な肉球を様々なトラブルから守るためには、日々の予防ケアが何よりも重要です。恐ろしい破傷風も、日頃の対策で防ぐことができます。

▼肉球を守るための予防策

  • ワクチンの定期接種:動物病院で混合ワクチンを定期的に接種することで、破傷風を予防できます。
  • 日々の肉球チェック:散歩の後に、傷や異常がないか、指の間まで確認する習慣をつけましょう。
  • 保湿ケアの徹底:乾燥が気になる季節は特に、犬用の保湿クリームで潤いを保ちましょう。
  • 散歩環境への配慮:夏場の熱いアスファルトを避けたり、ガラス片などが落ちていない安全な道を選んだりしましょう。
  • 犬用の靴やワックスの活用:過酷な環境を歩く際には、肉球を保護するグッズを利用するのも有効です。

日頃から肉球のお手入れを丁寧に行うことが、怪我や病気の早期発見に繋がり、愛犬を痛みから守ることになります。ぜひ今日から、愛犬とのコミュニケーションの一環として、肉球ケアを取り入れてみてください。

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