大型犬は体が大きい分、排泄量も多く、おしっこをトイレからはみ出すなど、トイレの失敗は飼い主さんにとって大きな悩みの一つです。
愛犬がシニア犬(老犬)になってから「子犬の頃に室内でのトイレをしっかりしつけておけば良かった…」と後悔しないためにも、子犬のうちからトイレトレーニングを始めることが大切です。もちろん、成犬からでもトレーニングは可能ですよ。
この記事では、大型犬のトイレトレーニングの具体的なやり方から、トイレからはみ出す原因と対処法、しつけに役立つおすすめのグッズまで、詳しく解説します。
大型犬のトイレトレーニング、やり方は?
1.サークルなどで仕切ったスペースにトイレシーツを敷きつめる
2.トイレスペースで排泄できたら、たくさん褒めてご褒美をあげる
3.成功が続いたら、少しずつトイレシーツの枚数を減らしていく
4.最終的にトイレトレーだけで排泄できるようにする
大型犬のトイレトレーニングは、子犬からでも成犬からでも基本的なやり方は同じです。愛犬のペースに合わせて、根気強く進めましょう。
1.仕切ったスペースの中にトイレシーツを敷きつめる
トイレトレーニングの第一歩は、「ここがトイレだよ」と愛犬に覚えてもらうことです。まず、サークルやケージで囲ったスペースを準備し、その床一面にトイレシーツを隙間なく敷きつめます。スペースは広いほど、成功しやすくなりますよ。
2.愛犬をトイレスペースに入れ、トイレができたら褒める
食後や寝起きなど、愛犬がソワソワし始めたらトイレのサインです。そのタイミングでトイレスペースに誘導し、おしっこやうんちをするまで待ちましょう。
無事に排泄できたら、「えらいね!」「上手だね!」と優しく声をかけ、おやつなどのご褒美をあげて、「ここでトイレをすると良いことがある」と学習させることが重要です。
3.少しずつトイレのスペースを狭くする
トイレの成功率が上がってきたら、焦らずに少しずつトイレシーツの枚数を減らしていきます。愛犬がいつも同じ場所で排泄するようになったら、その場所を中心にシーツを残しましょう。
最終的には、市販のトイレトレーを設置し、その上にトイレシーツをセットします。トイレトレーは、成犬になった時の体(特に上半身)の長さよりも大きいサイズを選び、壁や家具から少し離して設置するのがポイントです。圧迫感のない環境が、トイレの成功に繋がります。
4.トイレトレーのみの状態でトイレができるようにする
上記のステップを繰り返すことで、最終的にトイレトレーの上だけで排泄ができるようになります。これがトイレトレーニングのゴールです。
もし途中で失敗してしまっても、決して叱らないでください。黙って片付け、焦らずに一つ前のステップに戻ってやり直すことが成功への近道ですよ。
おしっこがトイレトレーからはみ出す!原因は?
せっかくトイレの場所を覚えてくれたのに、おしっこがトイレトレーからはみ出してしまう…。これも大型犬の飼い主さんによくある悩みです。その原因を探ってみましょう。
・トイレトレーのサイズが愛犬の体に合っていない(小さい)
・男の子(オス)のように足を上げておしっこをする
・トイレの設置場所が悪く、愛犬が落ち着けない
トイレトレーが小さい
大型犬は体が大きいので、トイレトレーのサイズが小さいとおしっこがはみ出す根本的な原因になります。犬は排泄前に、くるくると回って位置を決める習性があるため、体全体が収まり、方向転換できる余裕のある大きさが必要です。
トイレトレーのサイズは、最低でも愛犬の体の大きさの1.5倍以上のものを選ぶことをおすすめします。
足を上げておしっこをする
特に男の子(オス)は、マーキングのために足を上げておしっこをすることがあります。この場合、フラットなトイレトレーでは狙いが定まらず、おしっこが外にはみ出てしまいます。
この行動は、実は女の子(メス)でも見られることがあります。愛犬の排泄スタイルをよく観察してみましょう。
トイレトレーが壁や家具などの近くにある
トイレトレーが壁や家具に近すぎると、愛犬は圧迫感を感じてしまい、リラックスしてトイレができません。落ち着かないため、体の向きをしっかり定められないまま排泄してしまい、結果的にはみ出しに繋がります。
愛犬が安心してトイレに集中できるよう、飼い主さんが愛犬の気持ちになって設置場所を見直すことが大切です。
おしっこがトイレトレーからはみ出す!対処法は?
おしっこがはみ出す原因がわかれば、効果的な対策が打てます。ここでは、原因別の具体的な対処法をご紹介します。
・【小さい場合】大きいサイズのトイレトレーに交換する
・【足を上げる場合】L字型や壁付きのトイレを導入する
・【設置場所が悪い場合】壁や家具から離れた場所に移動する
トイレトレーが小さい場合
トイレトレーが小さい場合は、迷わず大きなものに交換しましょう。大型犬専用のスーパーワイドサイズや、それ以上の大きさのトイレトレーが市販されています。
また、複数のトイレシーツを敷けるように、枠(フレーム)だけで大きさを自由に調整できる製品もあります。これなら、愛犬の成長や設置スペースに合わせてサイズを変えられるので便利ですよ。
足を上げておしっこする場合
愛犬が足を上げておしっこをする場合は、物理的な対策が最も効果的です。片面が壁のようになっている「L字型トイレ」や「壁付きトイレ」を導入しましょう。
これらのトイレは、足を上げた際のおしっこの飛び散りをガードしてくれます。しつけで直すことも可能ですが、非常に根気がいるため、まずはトイレ環境を見直すことをおすすめします。
トイレトレーが壁や家具などの近くにある場合
トレーが壁や家具の近くにあることで愛犬が落ち着かないようなら、設置場所の見直しが必要です。愛犬がソワソワせずに、ゆったりと方向転換できるスペースを確保しましょう。
部屋の隅ではなく、周囲に少し空間のある場所に思い切って移動させるだけで、はみ出しが劇的に改善されることもありますよ。
トイレトレーニングは根気よく、少しずつ!
大型犬のトイレトレーニングやはみ出し問題は、多くの飼い主さんが直面する課題です。一度覚えたように見えても、環境の変化や成長過程で失敗してしまうこともあります。
大切なのは、愛犬のペースに合わせて、焦らず、叱らず、たくさん褒めてあげること。将来の快適なペットライフのために、根気強くトイレトレーニングを続けていきましょう。
また、トイレの悩みとして、トイレシーツを破ってしまう行動も見られます。これは「子犬期で歯がむず痒い」「飼い主さんとのコミュニケーション不足でストレスが溜まっている」などが主な原因です。
犬用のおもちゃを与えたり、一緒に遊ぶ時間を増やしたりして、愛犬のストレスや欲求を発散させてあげると、いたずらが解消されることが多いですよ。