老犬のトイレのしつけ直し|粗相の原因と今日からできるトレーニング方法・注意点

シニア期に入った愛犬のトイレの失敗が増え、「どうしてだろう?」「しつけで直せるのかな?」と悩んでいませんか。老犬のトイレの失敗は、加齢による身体の変化が原因であることが多く、適切なしつけや環境の見直しで改善できる場合があります。

この記事では、老犬のトイレの失敗で考えられる原因から、具体的なしつけ方法、すぐに実践できる対策、しつけの際の注意点までを詳しく解説します。

老犬のしつけ、トイレはどうすればいい?

老犬になると、膀胱の括約筋(かつやくきん)の筋力低下や、認知機能の衰えなどにより、尿を長時間溜めておくことが難しくなります。そのため、以前は完璧だった愛犬でもトイレを失敗することが増えてくるのです。

このような変化に対応するため、飼い主さんによる排泄のサポートが重要になります。特に、これまで室外でしか排泄してこなかった犬の場合、足腰が弱ってからでは散歩の負担が大きくなります。元気なうちから室内でも排泄できるようトレーニングしておくことで、愛犬と飼い主さん双方の負担を軽減できます。

老犬のトイレのしつけ、注意することは?

トイレのしつけの注意点
  • 叱らない
  • その場でしつける

叱らない

愛犬がトイレを失敗してしまっても、決して大声で叱らないことが重要です。犬は「トイレを失敗したこと」ではなく「排泄行為そのもの」を叱られたと勘違いしてしまうことがあります。その結果、飼い主さんの見ていない場所で隠れて排泄するようになり、さらなる粗相の原因になりかねません。

その場でしつける

もしトイレの失敗を見つけたら、時間を置かずにその場で対応しましょう。犬は時間が経ってから叱られたり、教えられたりしても、何についての事なのかを関連付けて理解することができません。失敗の直後に正しいトイレの場所に誘導し、成功体験を積ませることが大切です。

老犬の粗相、考えられる原因は?

老犬の粗相の原因
  • 身体的な筋肉の衰え
  • 病気の可能性

粗相とは、トイレ以外の場所で意図せずウンチやオシッコを漏らしてしまうことです。老犬の粗相には、主に身体的な衰えと病気という2つの原因が考えられます。

筋肉の衰え

加齢により、排尿をコントロールする膀胱の括約筋が衰えると、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことがあります。くしゃみや咳をした弾みで、少量のオシッコが出てしまうのもこのためです。また、足腰の筋力が低下してトイレまで間に合わなかったり、排泄時に踏ん張る力が弱って尿を出しきれず、残った尿が後から漏れ出したりすることも粗相の原因となります。

病気

トイレの失敗が急に増えたり、頻繁にお漏らしをしたりする場合は、病気が隠れている可能性も疑いましょう。例えば、頻尿や血尿を伴う場合は「膀胱炎」、水を大量に飲んで尿の量が増える場合は「慢性腎不全」や「クッシング症候群」、トイレの場所がわからなくなったような場合は「認知症」などが考えられます。これらの病気はしつけでは改善しないため、少しでも異変を感じたら、すぐに動物病院で獣医師の診察を受けましょう。

老犬の粗相、どんな対策をするべき?

老犬の粗相に対しては、しつけと並行して環境を整える対策が効果的です。飼い主さんの負担を減らすためにも、以下の対策を取り入れてみましょう。

  • 排泄のタイミングを読んで誘導する
    愛犬が排泄する時間を記録し、そのタイミングを見計らってトイレに連れて行ってあげましょう。寝起きや食後などが一般的なタイミングです。
  • 行動範囲を制限する
    汚されては困るカーペットや家具がある場所には、ペット用のゲートや柵を設置し、愛犬が入れないようにするのも一つの方法です。
  • 掃除しやすい環境を作る
    愛犬が主に過ごす部屋には、防水マットや丸洗いできるラグなどを敷いておくと、粗相をしてしまっても掃除が楽になり、衛生的に保てます。

老犬のトイレ、しつけ方法は?

老犬のトイレのしつけ方法
  • 室外で排泄していた場合
  • 室内で排泄していた場合

室外で排泄していた場合

これまで室外で排泄する習慣だった愛犬には、室内での排泄に切り替えるトレーニングを行いましょう。飼い主さんが毎回外に連れて行く負担を減らすことができます。

STEP.1
トイレトレーの用意
愛犬の体の2〜3倍程度の大きさのトイレトレーを用意し、室内の静かな場所やベランダに設置します。
STEP.2
ペットシーツを敷き詰める
トイレトレーにペットシーツを敷き詰めます。以前使っていたおしっこの臭いがついたシーツを少し置くと、そこがトイレだと認識しやすくなります。
STEP.3
トイレトレーに誘導
愛犬が床の匂いを嗅ぐなど、排泄しそうな素振りを見せたら、すかさずトイレトレーの上へ誘導します。
STEP.4
褒める
うまく排泄できたら、たくさん褒めてあげましょう。おやつなどのご褒美を与えるのも効果的です。

愛犬が覚えるまで、このトレーニングを根気よく繰り返すことが成功の鍵です。

室内で排泄していた場合

もともと室内で排泄できていた犬でも、老犬になると筋力や身体機能の低下で失敗することがあります。その場合は、トイレ環境を見直してあげましょう。

愛犬のトイレの失敗を減らすために、以下のような工夫がおすすめです。

  • トイレのスペースを広くし、体の向きを変えやすくする
  • またぎやすいように、トイレトレーの段差をなくす・低くする
  • 愛犬が普段過ごしている場所のすぐ近くにトイレを設置する
  • 寝室やリビングなど、複数の場所にトイレを設置する

これらの工夫で、愛犬がよりスムーズに排泄できるようサポートしてあげましょう。

しつけは根気強く教えよう!

老犬のトイレの失敗は、加齢による筋肉の衰えや病気など、犬自身のせいではない場合がほとんどです。まずは飼い主さんが、愛犬が失敗しにくい環境を整えてあげることが大切です。

特に、長年の習慣を変える室内排泄のトレーニングには時間がかかります。焦らず、叱らず、できたことをたくさん褒めてあげましょう。老犬のトイレのしつけは、愛犬のペースに合わせてゆっくりと根気強く行うことが、何よりも大切です。愛犬との穏やかなシニアライフのために、じっくりと取り組んでいきましょう。

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