犬の健康を保つうえで、被毛のケアや皮膚トラブルの予防に、シャンプーは欠かせません。しかし、シャンプー後に被毛を濡れたままにしておくのは禁物です。
シャンプー後の濡れた被毛をドライヤーで乾かす際、「どれくらい乾かせば良いの?」「正しい使い方は?」と疑問に思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、犬にドライヤーが必要な理由から、正しい使い方、愛犬に合ったドライヤーの選び方、そしてドライヤーを嫌がる場合の対処法まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてくださいね。
犬にドライヤーは必要?
シャンプー後のドライヤーは必要不可欠
結論から言うと、犬のシャンプー後にドライヤーで乾かすことは必要不可欠です。犬の被毛は密集しているため、自然乾燥やタオルドライだけでは根元まで完全に乾かすことが非常に難しいのです。
被毛が生乾きの状態が続くと、湿った皮膚で細菌が繁殖しやすくなります。その結果、不快な臭いや皮膚炎を引き起こしたり、抜け毛やカビの原因になったりするおそれがあるため、犬の健康のためにもドライヤーは必須と言えるでしょう。
犬をドライヤーで上手に乾かすポイント
- 犬用のドライヤーがおすすめ
- ドライヤーと犬の皮膚との距離を30cm以上離す
- 顔に直接風を当てない
- 温風と冷風を効果的に使い分ける
- 毛の流れに逆らって風を当て、根元から乾かす
- 吸水タオルやブラシも併用する
人間用のドライヤーは犬にとって温度が高すぎ、デリケートな皮膚をやけどさせてしまったり、被毛を傷めたりする危険性があるため注意が必要です。
その点、犬用(ペット用)のドライヤーは、人間用よりも低い温度設定で大風量のモデルが多く、やけどのリスクを抑えながら効率的に乾かせるのでおすすめです。
犬にドライヤーをかける際は、熱が一点に集中しないよう、ドライヤー本体を常に動かしながら、皮膚から30cm以上離して風を当ててください。
また、犬は顔に風が当たるのを嫌がるため、顔周りは避けてあげましょう。温風で8割ほど乾かしたら冷風に切り替えて仕上げるなど、温風と冷風を使い分けることも皮膚への負担を減らすコツです。毛をかき分け、毛の流れとは逆方向に風を送ると、毛の根元までしっかりと乾かせます。
はじめに吸水性の高いタオルでしっかり水分を拭き取っておくと、ドライヤーの時間を短縮できます。長毛種の場合は、スリッカーブラシなどで毛をときながら乾かすと、毛玉を防ぎキレイに仕上がりますよ。
愛犬にあったドライヤーを選ぶためには?
- 風量・温度を細かく調整できるか
- 作動音が静かかどうか
- 両手が使えるスタンド付きだと便利
愛犬がやけどをしたり被毛が傷んだりするのを防ぐため、低温の優しい風が出せる、温度調節機能付きのドライヤーを選びましょう。
特に大型犬や長毛種の犬は乾かすのに時間がかかるため、風量の多いパワフルなドライヤーが適しています。一般的に消費電力1200W以上のものが大風量とされていますので、ワット数も選ぶ際の参考にしてください。
また、聴覚が優れた犬にとって、ドライヤーの大きな作動音はストレスの原因になります。犬用のドライヤーは比較的静音性に配慮したモデルが多いので、愛犬のストレスを和らげるためにも、なるべく静かな製品を選ぶのがおすすめです。
ハンズフリーで使えるスタンド付きのドライヤーや、大型犬の乾燥に便利なホース付きのドライヤーを選ぶと、両手で愛犬を支えながら作業できるので、より安全かつ楽に乾かすことができますよ。
愛犬がドライヤーを嫌がる場合はどうする?
- タオルドライを徹底して時間を短縮する
- ドライヤーを犬から十分離して使う
- おやつを使いながら少しずつ慣らす
シャンプーが苦手な犬がいるように、ドライヤーの音や風を怖がって嫌がる犬も少なくありません。過去にドライヤーで熱い思いをしたトラウマから、ドライヤーを嫌いになってしまうケースもあります。
もし愛犬がドライヤーを嫌がるなら、まずは吸水性の高いマイクロファイバータオルなどで念入りにタオルドライを行い、ドライヤーをかける時間をできるだけ短くしてあげましょう。
ドライヤーが近すぎると熱を感じてしまい、犬はますます嫌がってしまいます。ドライヤーを体から30cm以上離し、一番弱い風量から試してみてください。また、犬が特に嫌がる顔周りへの使用は避け、お尻の方からそっと風を当てていくのがコツです。
ドライヤーを見せたり、電源を入れずに風を出すふりをしたりしながらおやつをあげるなど、ポジティブな経験と結びつけて少しずつ慣らしていくことも有効な方法です。
正しく安全に!
犬のシャンプーやドライヤーは、体を清潔に保つだけでなく、愛犬との信頼関係を育む大切なスキンシップの時間にもなります。ドライヤーの正しい使い方と選び方をマスターし、愛犬がリラックスできるケアタイムにしてあげましょう。この記事で紹介したポイントを参考に、犬用ドライヤーを安全に使いこなし、愛犬との絆をさらに深めていってくださいね。