老犬の介護が始まると、足腰の衰えや認知症が原因でトイレの失敗が増えることがあります。粗相の後片付けは大変ですし、衛生面も気になりますよね。そんな時に「老犬用おむつ」を上手に活用すれば、愛犬を清潔に保ちながら飼い主さんの介護負担を大きく軽減できます。
この記事では、老犬のおむつに関するメリット・デメリット、費用を抑えるための手作り方法、使用上の注意点まで、飼い主さんが知りたい情報を網羅的に解説します。
老犬のおむつ、メリットやデメリットは?
老犬におむつを使用することには、介護負担を軽減する「メリット」と、愛犬への配慮が必要な「デメリット」の両側面があります。それぞれを正しく理解し、愛犬に合った使い方を見つけることが重要です。
メリット
- 粗相をした際の片付けが不要になる
- 排泄物で体や寝床を汚さず衛生的
- 愛犬の体を常に清潔に保てる
老犬がおむつを使う最大のメリットは、排泄を失敗したときの片付けの手間がなくなることです。
また、愛犬自身が排泄物を踏んでしまったり、体につけてしまったりするのを防げるため、体を汚さずに常に清潔な状態を維持できます。
デメリット
- 慣れないおむつに愛犬が違和感を覚える
- 蒸れが原因で皮膚トラブルを起こすことがある
- こまめなケアが必要になる
デメリットとしては、まず愛犬自身がおむつに慣れず、強い違和感やストレスを感じてしまう可能性が挙げられます。初めて老犬におむつを使う際は、嫌がらないか様子を見ながら短時間から試してみましょう。
また、長時間同じおむつを着けていると、蒸れや排泄物の刺激によって「おむつかぶれ」や「皮膚炎」、さらには「膀胱炎」といった病気を引き起こすリスクも。おむつが汚れたらすぐに交換し、濡れタオルで優しく拭き取る、お尻周りの毛を短くカットするなど、肌や毛のケアを徹底することが大切です。
老犬のおむつ、人間用と犬用とどちらがおすすめ?
1枚あたり 約60円~
1枚あたり 約20円~
老犬用のおむつには「犬専用」のものと、加工して使う「人間用」のものがあります。どちらを選ぶべきか、「価格」と「手間」の観点から比較してみましょう。
犬用おむつは、しっぽを通す穴があらかじめ開いているため、購入後すぐに使えて非常に便利です。一方、人間用(赤ちゃん用)のおむつは犬用に比べて価格が安いという大きなメリットがありますが、愛犬のしっぽの位置に合わせて自分で穴を開けるひと手間が必要になります。
毎日のことなので、少しでも手間を省きたい方は「犬用おむつ」、コストを重視するなら「人間用おむつ」を加工して使うのがおすすめです。
老犬のおむつ、手作りする!作り方は?
上記の手順で、人間用おむつを老犬用に簡単にリメイクできます。
切り込みをテープでしっかり固定しないと、穴が広がって吸収材がこぼれてしまうことがあるので注意してください。
この手作り方法なら、愛犬のしっぽの太さや位置に合わせて穴を調整できるため、市販の犬用おむつより体にフィットさせることも可能ですよ。
老犬のおむつカバー、手作りする!作り方は?
- 市販の人間の子供用パンツを用意する
- 愛犬のしっぽの位置に合わせて穴を開ける
- ほつれ防止のため、穴の周りを布テープなどで補強する
- おむつの上から履かせれば完成
おむつカバーには、おむつのズレを防いだり、見た目を可愛くしたりする役割があります。
人間の子供用パンツを使えば、ウエストに元々ゴムが入っているため、簡単に手作りできます。愛犬に似合うおしゃれなデザインのパンツを選んで、オリジナルの可愛いおむつカバーを作ってあげてくださいね。
老犬のおむつ、ズレてしまう!どうすればいい?
おむつがズレるのを愛犬が気にしてしまう場合は、おむつカバーに「サスペンダー」を取り付けて固定するのが効果的な対策です。サスペンダーも簡単に手作りできますよ。
少ない材料で簡単に作れるので、おむつカバーのデザインに合わせて可愛いサスペンダーを手作りしてあげるのも良いですね。
老犬のおむつやおむつカバー、使うときの注意点は?
老犬のおむつやおむつカバーは非常に便利ですが、使い方を誤ると皮膚トラブルの原因になります。以下の注意点を必ず守り、愛犬の健康を第一に考えましょう。
- こまめな交換を徹底する
おむつが汚れたままの状態は、雑菌が繁殖しやすく、皮膚炎や膀胱炎のリスクを高めます。排泄に気づいたら、すぐに新しいおむつに交換してあげましょう。 - 皮膚の状態を毎日チェックする
おむつ交換の際には、お尻周りの皮膚が赤くなっていないか、かぶれていないかを必ず確認してください。蒸れやすいお腹や内股もしっかりチェックする習慣をつけましょう。 - 清潔を保つ
おむつを交換する際は、蒸しタオルやノンアルコールのウェットティッシュで優しく汚れを拭き取り、皮膚を清潔に保つことが大切です。 - 締め付けすぎに注意する
おむつのウエスト部分のゴムが皮膚に擦れて傷つかないよう、ガーゼやタオルを挟んで保護するなどの工夫をしましょう。
愛犬が病気にならないよう、おむつ周りを常に清潔な状態に保つことが、飼い主として最も重要な役割です。
おむつとの付き合い方
老犬におむつを使用する際は、皮膚炎やかぶれなどのトラブルに常に注意を払う必要があります。おむつはあくまで介護を補助する便利なツールであり、頼りすぎるのは禁物です。
例えば、飼い主さんが在宅している時間はこまめにトイレに連れて行き、就寝時や留守番中など、どうしても目を離してしまう時だけおむつを着けるといった使い分けも有効です。
愛犬がシニア期を少しでも快適に過ごせるよう、おむつやおむつカバーを上手に活用して、愛情を持ってサポートしてあげてくださいね。