猫の歯磨き、正しいやり方と7つのコツ|歯磨きガムやグッズの選び方も解説

猫の歯は人間のように虫歯にはなりにくいですが、歯垢がたまりやすく歯周病のリスクが高いという特徴があります。愛猫の健康と長生きのためにも、飼い主さんが正しい歯磨きの方法を身につけることが大切です。

この記事では、猫の歯磨きを成功させるためのコツから、歯ブラシを使った正しい方法、そして歯ブラシが苦手な猫のための「おやつ・ガーゼ・麺棒・ガム」を使ったケア方法まで、詳しくご紹介します。

猫の歯磨きのコツは、口の中を触られることに慣れてもらうこと

猫の歯磨きは、犬と比べても難しいといわれます。多くの猫が、口に歯ブラシを入れられることを嫌がるためです。そのため、歯磨きを始める前の準備として、まずは口周りや口の中を触られることに慣れてもらうことからスタートしましょう。

猫にリラックスしてもらうためのステップは以下の通りです。

  • ステップ1:猫の好きなウェットフードの汁やペーストを指につけ、舐めさせながら口周りを優しく触ります。
  • ステップ2:慣れてきたら、指にガーゼを巻き、同じようにペーストなどをつけて前歯からそっと触れてみます。
  • ステップ3:徐々に奥歯の方向へ、触る範囲を広げていきましょう。

歯ブラシへの抵抗をなくすためには、歯ブラシを「おもちゃ」として認識させ、匂いを嗅がせたりカミカミさせたりして慣れさせるのも効果的です。「早く完璧に磨かなきゃ」と焦り、無理やり歯ブラシを口に入れるのは絶対にやめましょう。一度「歯ブラシは嫌なもの」とインプットされると、その後のトレーニングが非常に困難になります。愛猫のペースに合わせて、ゆっくり進めることが最大のコツです。

猫の正しい歯磨きの方法

猫が口を触られることや歯ブラシに慣れてきたら、いよいよ歯磨きに挑戦です。基本的な磨き方は人間と同じで、以下の2点を意識すれば問題ありません。

  • 力を入れすぎず、優しく磨く
  • 歯と歯茎の境目に、45度程度の角度でブラシを当てて小刻みに動かす

特に、猫の歯で最も歯垢が溜まりやすいのは「上あごの奥歯(臼歯)」です。見えにくい場所ですが、歯周病予防のために意識して磨きましょう。歯磨きの理想的な頻度は毎日1回ですが、難しい場合は2〜3日に1回でも大丈夫です。

大切なのは回数よりも「丁寧さ」です。毎日短時間でざっと磨くよりも、2日に1回でも一本一本丁寧に磨く方が、歯周病対策としては効果的です。

猫の歯磨き、歯茎を傷つけないように注意を!

歯ブラシを使った歯磨きは効果が高い反面、力の入れ具合を間違えるとデリケートな猫の歯茎を傷つけてしまう可能性があります。歯磨きに慣れないうちは、以下の点に注意しましょう。

  • 力の入れすぎに注意する:歯ブラシを持つ際は、鉛筆を持つように軽く握ると力が入りすぎるのを防げます。
  • 定期的に動物病院でチェックしてもらう:歯磨きの方法が適切か、歯茎に傷や炎症がないかを獣医師に確認してもらうと安心です。
  • 歯石は無理に取らない:もし歯垢が硬い「歯石」になってしまった場合、歯ブラシで除去するのは不可能です。無理に取ろうとすると歯や歯茎を傷つけるため、必ず動物病院で除去してもらいましょう。

猫の歯磨き、「おやつ・ガム」や「麺棒」で代用はできる?

歯磨きの効果が最も高いのは歯ブラシですが、どうしても受け入れてくれない猫もいます。その場合は、無理強いせず、他のアイテムで代用する方法を試してみましょう。ここでは「ガーゼ・麺棒」や「デンタル用おやつ・ガム」を使った方法をご紹介します。

猫の歯磨きにガーゼや麺棒を使う場合

指で口を触られるのを嫌がらない猫であれば、ガーゼや綿棒を使ったケアが可能です。水や猫用の歯磨きペーストで湿らせたガーゼを指に巻き、歯の表面の汚れを優しく拭き取ります。細かい部分や歯と歯茎の境目は、同じく湿らせた綿棒を使うと磨きやすいです。ガーゼで広い面を、綿棒で細かい部分をケアすると、効率的に汚れを落とせます。

猫の歯磨きにデンタル用のおやつやガムを使う場合

デンタルケア用のおやつやガムは、噛むことで歯垢の付着を軽減するよう設計されています。歯ブラシやガーゼのように直接口に手を入れる必要がないため、歯磨きを嫌がる猫でも受け入れやすいのが最大のメリットです。「グリニーズ」のような定番のデンタルおやつや、様々な形状のデンタルガムがありますので、おやつやご褒美として毎日の習慣に取り入れてみましょう。

猫の歯磨き、大切なのは徐々に慣れさせること

猫の歯磨きにおける最大の課題は、猫自身に「慣れてもらう」ことです。飼い主さんの焦りは猫に伝わってしまいます。大切なのは、愛猫のペースに合わせて焦らず、ゆっくりとステップアップしていくことです。

最初から歯ブラシでの完璧な歯磨きを目指すのではなく、まずは口を触ることから始め、デンタルガムやガーゼ拭きなど、愛猫が受け入れやすい方法から試してみるのも良いでしょう。どの方法が自分の猫に合っているか迷った際は、かかりつけの獣医師に相談するのが一番です。愛猫に合った無理のないケアを見つけ、健康な歯を維持してあげましょう。

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