犬の年齢、人間に換算すると何歳?最新の年齢換算表と長寿の秘訣

犬は人間より早いスピードで歳を取り、あっという間に成長していきます。「うちの子は人間の年齢でいうと何歳くらいだろう」「いつからシニア犬(老犬)になるの?」と、愛犬の年齢について気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。

この記事では、犬の年齢を人間に換算する方法、年齢の計算式、シニア犬(老犬)のサインやケアについて、獣医師監修のもと詳しく解説します。

犬の年齢の換算表

犬の年齢を人間の年齢に換算すると、以下の早見表のようになります。犬種や体の大きさによって成長スピードが異なるため、「小型犬・中型犬」と「大型犬」に分けて見ていきましょう。

犬の年齢 人間換算 早見表
人間 小型犬・中型犬 大型犬
1ヶ月 1歳 1歳
6ヶ月 9歳 6歳
1歳 17歳 12歳
2歳 24歳 19歳
3歳 28歳 26歳
5歳 36歳 40歳
10歳 56歳 75歳
15歳 76歳 110歳
20歳 96歳 145歳

表を見ると、「小型犬・中型犬」と「大型犬」では成長の速度は異なりますが、どちらも人間と比べて非常に早く歳を取ることがわかります。

犬の年齢の計算式は?

換算表は便利ですが、より正確な年齢を知りたい場合は計算式を使うのがおすすめです。犬の年齢を人間の年齢に換算する計算式は、犬の大きさによって異なります。

小型犬・中型犬

24+(犬の年齢-2)×4

この計算式は、2歳以上の犬に適用できます。2歳未満の場合は、上記の換算表を参考にしてください。

例えば5歳の場合、「24 + (5-2) × 4 = 36歳」となり、人間でいうと36歳に相当します。

小型犬と中型犬は、生後2年で人間の24歳に相当するまで急成長し、その後は1年ごとに4歳ずつ歳を重ねていきます。幼齢期の成長が速く、その後の老化は比較的緩やかです。

大型犬

12+(犬の年齢-1)×7

この計算式は、2歳以上の犬に適用できます。1歳の場合は換算表の通り12歳、2歳の場合は「12 + (2-1) × 7 = 19歳」となります。

例えば5歳の大型犬の場合、「12 + (5-1) × 7 = 40歳」となり、人間でいうと40歳に相当します。

大型犬は生まれてから最初の1年で12歳まで成長し、2年目からは1年に7歳ずつ歳を取ります。小型犬や中型犬とは対照的に、幼齢期の成長は緩やかですが、その後の老化スピードが速いのが特徴です。

歯の状態で年齢がわかる?

保護犬を家族に迎えた場合など、正確な誕生日がわからないこともありますよね。そのような時は、歯の状態を見ることで、おおよその年齢を推測することができます。

犬の歯の状態と年齢の目安
年齢 歯の状態
~8週間 全ての乳歯が生えている
~4ヶ月 乳歯と永久歯が混在している
~7ヶ月 白くてきれいな永久歯が生えそろっている
1~2歳 歯の色が少しくすんでいる
3~5歳 歯に歯石の付着が見られる
5~10歳 歯石が多く歯周病の兆候がある
10歳以上 歯に摩耗や欠けが見られ、歯周病が進行している

vet監修獣医師先生

歯周病は体の各臓器に悪影響を及ぼすため、歯肉が赤かったり、歯石が増えてきたと感じたら動物病院に受診することをおすすめします。

犬が妊娠・出産できるようになるのは何歳から?

メス犬は、個体差はありますが、一般的に生後6ヶ月から10ヶ月頃に最初のヒート(発情期)を迎えます。

この時期から生理的な妊娠・出産は可能になりますが、体はまだ成長途中です。心身ともに未熟な状態での妊娠・出産は母犬への負担が大きいため、最初のヒートでの交配は避けるのが一般的です。

犬の老化ってなに?

人間と同じように、犬も歳を重ねるとともに身体機能が少しずつ低下していきます。これを「老化」と呼びます。老化の進行は緩やかなため、毎日一緒にいる飼い主さんでも変化に気づきにくいことがあります。

「最近なんだか元気がないな」「寝てばかりいるな」と感じたら、それは老化のサインかもしれません。普段から愛犬の様子をよく観察し、些細な変化にいち早く気づいてあげることが大切です。

シニア犬になるのは何歳から?

では、犬は何歳から「シニア犬(老犬)」と呼ばれるようになるのでしょうか。一般的に、小型犬・中型犬は10歳前後、大型犬は8歳前後からシニア期に入るとされています。

この時期になると、徐々に体力の低下が見られ、病気にもかかりやすくなります。シニア期は、愛犬の健康にこれまで以上に配慮してあげたい大切な時期です。このタイミングで、食事(フード)や生活環境を見直してみるのも良いでしょう。

老化のサインはあるの?

愛犬の老化を見逃さないために、具体的な老化のサインを知っておきましょう。以下のような変化が見られたら、老化が始まっている可能性があります。

老化のサイン
  • 散歩に行きたがらない
  • 寝ている時間が増える
  • 目が白くにごる
  • 耳が遠くなる、白髪が生える
  • 無意味に動き回る

散歩に行きたがらない

以前は大好きだった散歩に行きたがらなくなったり、途中で座り込んでしまったりするのは、老化による筋力や体力の低下が考えられます。全く散歩をしないと運動不足になり、心身の健康に良くありません。愛犬が無理なく楽しめる距離やコースに変更してあげましょう。

vet監修獣医師先生

もし歩かせることが難しい場合は、小型犬、中型犬であればペットカートを使用してみてください。少し広いところで歩かせてあげるだけでも効果的です。また、大型犬であれば散歩コースを変えて短くすることもおすすめです。

寝ている時間が増える

睡眠時間が増えるのも、代表的な老化のサインです。犬はもともとよく寝る動物ですが、日中も夜もほとんど寝て過ごしているような場合は、体力の低下が原因かもしれません。

目が白くにごる

愛犬の目が白っぽく濁ってきたら、老化が原因で起こる「白内障」や「核硬化症」の可能性があります。特に痛みはありませんが、進行すると視力が低下し、物にぶつかりやすくなることも。早めに動物病院で獣医師に相談しましょう。

vet監修獣医師先生

白内障が進行して視力が低下してきたら、家の模様替えは控えるようにしましょう。また、ぶつかったら危ない角などがあればガードを付けるなどして二次的な怪我の防止に努めましょう。

耳が遠くなる、白髪が生える

人間と同じように、犬も歳を取ると聴力が低下したり、口周りや顔に白髪が生えたりします。耳が遠くなると、飼い主さんの気配に気づきにくくなります。背後から急に触ると驚かせてしまうため、視界に入ってから優しく声をかけ、ゆっくりと撫でてあげましょう。また、被毛が全体的に薄くなることもあります。

vet監修獣医師先生

耳が遠くなるからと言って大きい声を出してはいけません。びっくりしてしまいストレスになります。優しくなでながら声をかけるようにしましょう。

無意味に動き回る

目的もなく部屋の中をぐるぐると歩き回ったり、狭い場所に入り込んで出られなくなったりする行動が見られる場合、犬の認知症の可能性があります。認知症の主な症状には「徘徊」や「夜鳴き」のほか、飼い主を認識できなくなる、感情の起伏が激しくなるといった変化もあります。

vet監修獣医師先生

動物でも認知症になることがあります。昼夜逆転の生活になることもあります。そんな時は日中運動をさせて夜眠らせるようにする工夫が必要です。また、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などを与えると認知症の進行を抑制することができます。魚に含まれているため、魚を使用したドッグフードやEPAやDHAが含まれているフードを与えるのもおすすめです。

世界一長生きした犬は?ギネス記録は?

ギネス世界記録によると、公式に記録されている世界で最も長生きした犬は、オーストラリアン・キャトル・ドッグの「ブルーイー」で、その生涯は29年と5ヶ月でした。人間の年齢に換算すると、なんと200歳以上という驚異的なご長寿犬です。

また、日本国内での最高齢記録は、「プースケ」という名前の雑種犬で、26歳と248日生きたとされています。

一緒に過ごせる時間を大切に!

近年の獣医療技術の発達やドッグフードの品質向上により、犬の平均寿命は年々延びています。それでも、犬たちは人間よりもずっと早いスピードで歳を重ね、いつの間にか飼い主さんの年齢を追い越していきます。

加齢による心身の変化を正しく理解し、それに合わせたサポートをしてあげることは、飼い主の大切な役目です。限りある愛犬との時間を大切に、たくさんの愛情を注いであげましょう。

vet監修獣医師先生

高齢になると動物の介護も必要になってきます。老犬の介護は大変です。もし困ったら獣医さんや動物看護師さんに相談するのもおすすめです。また、デイサービスを行っている老犬ホームもあるのでそういった施設を利用してみてはいかがでしょうか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です